折りたたみ自転車を街なかでよく見かけるようになりました。
折りたたみ自転車は折りたためることに加えて、コンパクトにできているものが多く、ママチャリなどの一般的な自転車とは見た感じも機能も違うため、人気があるのだと思います。
しかし、折りたたみ自転車の事をきちんと理解していないと、折りたたみ自転車を十分に楽しめないかもしれません。折りたたみ自転車の特徴を把握して、フル活用してください。
折りたたみ自転車のメリット(利点、長所)
折りたためる
折りたたみ自転車の長所はなんといっても「折りたためること」です。
というよりも、折りたためること以外、他の自転車とあまり変わりません。
折りたたみ自転車にもいろいろな種類があります。街乗りタイプやスポーツタイプなどです。しかし、それは自転車としての種類であって、折りたたみ自転車としての違いは折りたたみ方の違いくらいしかありません。
折りたためるとどんないいことがあるのか?
「折りたためること」のメリットは、
- 電車や車に持ち込む
- 宿泊先に持ち込む
- 家や納戸に収納する
といった場合に、大変重宝します。
折りたたみ方も工具不要で簡単に折りたためるものが多く、折りたたむことでコンパクトにもなるので場所をとらなくなります。折りたためないスポーツ自転車は、車輪を外すなどして分解することができますが、それと比べてもだんぜん楽です。
電車で運ぶ
遠くに行きたいときは、駅まで折りたたみ自転車で行き、折りたたんで輪行袋に入れて電車に乗り、到着した駅から再び自転車に乗るといった楽しみ方もできます。
また、サイクリングやツーリングで長距離を走って、帰りは自転車を折りたたんで電車で帰ることもできます。
※多くの場合、自転車は折りたたんで輪行袋に入れれば電車に持ち込めますが、通勤通学や帰宅時など電車の混雑時(ラッシュ時)には自転車は持ち込めません。
また、一部の鉄道会社はどんな状態であれ、自転車の持込みそのものを禁止しているところもあるので、事前の確認が必要です。
車で運ぶ
車のトランク(貨物室)などに折りたたみ自転車を入れて、到着先で乗ることもできます。
※自家用車のトランクの大きさにもよりますが、一般的なセダンタイプの乗用車だと、折りたたみ自転車のタイヤのサイズが20インチよりも大きくなるとトランクに入らないこともあるので、折りたたみ自転車の折りたたんだときのサイズと車のトランクの大きさを調べて確認しておくといいでしょう。
※タクシーは折りたたんで専用の袋に入れれば持ち込めることが多いですが、会社や運転手、または折りたたみ自転車の大きさによっては持ち込めないこともあるので、事前の確認が必要です。
※路線バス(ワンマンバス)は、持ち込み自体を断られることが多いですが、乗客の少ない田舎のバスだと自転車を持ち込めることが多いです。バスの場合は、自転車の持ち込み自体をあまり期待しないほうがいいかもしれません。
宿泊先に持ち込む
輪行袋(輪行バッグ、キャリーバッグ)といわれる専用の袋に折りたたんだ自転車を入れてホテルや旅館に持ち込み、宿泊するといった楽しみ方もできます。
家や納戸に収納する
「自宅に駐輪場(駐車場)がない」、「自転車を雨風から完全に守りたい」、「自転車の盗難やいたずらを防ぎたい」といった理由で、自転車を自宅で保管したい場合にも折りたたみ自転車は便利です。
折りたたみ方には、フレーム中央部分を折りたたんでコンパクトにするものや、フレームを折りたたまないため、さほどコンパクトにはならないものの折りたたみの手間が少ないものなどがあります。
何も持ち込まないことに比べたら、自転車を折りたたんで持ち込むという作業は面倒ですが、上記の理由から自転車を家に持ち込みたい場合には、重宝します。
折りたたみ自転車のデメリット(欠点、短所)
折りたたみ自転車は「折りたためること」が一番の特徴であり長所です。しかし、折りたためることと引き換えに犠牲にしていることもあります。それは 「重量」 と 「価格」 です。
重量
折りたたみ自転車は折り畳み部分の構造が案外、複雑です。それは折りたためることと同時に、強度も高めなければならないからです。
安物の粗悪品でなければ、折りたたみ自転車には強度を高めるためのパーツと工夫が施されています。そのため、重さが少し重くなります。
同じような性能・装備・素材・価格の折りたためない自転車と比べると、だいたい数百グラム折りたたみ自転車の方が重くなります。
自転車は重量が軽い方が走行抵抗が減り、ペダルが軽くなり軽快に走れます。
同じ自転車でも、重い荷物を積んだ自転車と何も荷物を積んでいない状態の自転車を乗り比べると、ペダルをこいだ時の軽さが違うことが実感できると思います。このようなことから、自転車、特にスポーツ自転車は軽量化されています(基本的に自転車に限らず、乗り物全般にある程度の軽量化が施されています)。
ちなみに、ママチャリは丈夫さと快適性を重視していて、重い荷物も載せられるように作られているため、さほど軽量化されていません(重さは約20kg弱)。
なお、自転車の数百グラムほどの重さの違いは、乗っていても感じない程度ではあります。
価格(値段・金額)
折りたたみ自転車の折りたたみ部分の構造は複雑です。折りたためることと強度を両立しなければいけないからです。そのため製造には高度な技術と、精度が高いパーツ(正確に作られた部品)が必要になります。このようなことから、折りたたみ自転車は少し価格が高くなります。
安い折りたたみ自転車は、フレームの素材に安価なものが使われていて重量が重く、パーツの質も良くないため、ペダルをこぐ力が十分にタイヤに伝わらないことに加えて、走行時の抵抗も大きく、ペダルが重くなり軽快に走れません。
折りたたみ自転車に限らず、自転車はある程度の金額(だいたい3万円以上)のメーカー品に乗ると、1万円以下の自転車との違いを実感できると思います。
折りたたみ自転車の注意点
折りたたみ式ペダルには要注意
折りたたみ自転車のペダルには、折りたたみ式のペダルが使われていることが多いです。
これは、折りたたみ自転車を折りたたんだ際にペダルも折りたたむことで、よりコンパクトにするためです。
しかし、折りたたみペダルをこぐ際は、ペダルのこぎ方に気をつける必要があります。
折りたためるペダル(折りたたみペダル)と折りたためないペダル(ノーマルペダル)の違いは「軸(じく)の長さ」です。
ペダルというのは、ペダルの中心部分に軸が通っています。この軸が、ノーマルペダルはペダルのほぼ端まで通っているのに対して、折りたたみペダルはペダルを折りたたむため半分くらいまでしか軸が通っていません。
ペダルをこぐときは、ペダルの真ん中に足を乗せてペダルをこぎます。これが正しいペダルのこぎ方です。
ペダルの端(外側)に足を乗せてペダルをこぐと、折りたたみペダルの場合、端まで軸が通っていないので、ペダルが折れる危険性があります。
折りたたみペダルはJIS規格に適合していて、正しいペダルのこぎ方をすれば安全性に問題はありません。
「ペダルの真ん中に足を乗せてこぐ」
このことをきちんと守って、正しくペダルをこぎましょう。
ちなみに、ペダルは交換できます。また、折りたたみ自転車の購入時に、別のペダルを購入して、付け替えてもらうこともできます(※店や自転車によります)。
自転車を折りたたんでも、ペダルまでは折りたたむ必要がない場合は、折りたためないペダル(ノーマルペダル)や、取り外し可能な着脱式のペダルを使用するという方法もあります。